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布海苔とは?

布海苔(ふのり)って何?

水戻しをしたふのりは綺麗な紫色になります。

ふのりとは、海藻の一種で紅藻類フノリ科フノリ属の海藻です。漢字表記では一般的には布海苔と書きますが、布糊と書かれることもあります。

ふのりは全国的に分布はしているものの、水質環境に影響されやすいため、良質なものは長崎の五島列島近海などのごく限られた場所で採取されております。また1年の中で限られた時期しか採取されない貴重な海藻。しかも一切機械化出来ず、今でも浜人たちによって丹念に手摘みされています。

ふのりは昔から様々な用途で使用され、お味噌汁の具などの食材としてはもちろんのこと、古くには「天然糊」として、織物の糊付けや漆喰(しっくい)の材料に利用されてきました。ふのりと聞くと「糊」をイメージする方が多いと思います。昭和中期までは洗い張り用の糊剤として多くの家庭でふのりが置いてあったものです。

糊としての用途は、今では化学糊の普及などで少なくなってきましたが、昨今「天然糊」としての見直しも進んでおり、今でも相撲力士の「廻し」の下につける「下がり」を糊付けするのに利用されたり、国内外の貴重な文化財の補修剤に使われるなど、皆さんの知らないところで何かと活躍している海藻です。

 

また、最近ではふのり原藻そのもので、刺身の「ツマ」や味噌汁の具、そばの「つなぎ」など、食品用としての需要も大変多くなってきました。


他に、ふのりの粘液は洗髪に用いられたり、化粧品用としての用途もあります。


大脇萬蔵商店では、多くの方の知恵をお借りし、ふのりの持つ可能性を日々追求しております。

また、ふのりに関する様々な商品をご用意しております。下のアイコンをクリックするとお買い物もできますので、この機会にぜひお買い求めください。

布海苔(ふのり)の産地

ふのりの産地です。
日本では太平洋側を中心に、日本各地で見ることが出来る海藻です。但し、昆布やワカメといった他の海藻に比べると採取量は多くはありません。ふのりの生育環境は波打ち際で、水質が良く、寒暖の差がある所などを好みます。当社では特に良質と言われている五島列島や対馬などの長崎県産を中心とした九州一円のふのりの他、地方のふのりも扱っております。

<主な産地>
長崎県五島列島、長崎県沿岸、長崎県対馬、熊本県天草、鹿児島、大分、佐賀、四国、和歌山、三重、三陸海岸、青森、北海道

布海苔(ふのり)の種類

一口にふのりと言っても様々な種類があります。主な種として、マフノリ、フクロフノリ、ハナフノリ、コブノリがあります。
現存では、マフノリ、フクロフノリです。

ふのりの中でも採取量が少なく、希少価値があるマフノリはふのりの中で一番糊分が強いと言われており、羽二重織物(絹織物)に糊料として使われています。
フクロフノリも織物用の糊料として多く使用されておりますが、そばのつなぎや味噌汁の具材や海藻サラダなどの食用としても一般的には使用されております。

海藻の類系としては緑藻類、褐藻類、紅藻類があり、フノリは紅藻類に属します。因みに主な海藻として、緑藻類はアオサ、褐藻類はワカメ、コンブ、モズク、ヒジキがあげられます。紅藻類にはフノリ、テングサ、トサカノリなどが属します。


 

布海苔(ふのり)の歴史

ふのりの産地です。
古くは時の帝がおられた京都・奈良への献上品としてふのりが送られていたとの文献(木簡として)も残っております。食用としてはもちろん、その海藻の中でも群を抜いたネバネバ成分を持つことから、お寺や神社などの障子の洗い張り用、絹織物、漆器、陶器(九谷焼など)向けなど天然糊剤としても多くの場面で使用されてきました。

またシャンプーなどが出回る前までは天然の洗髪剤として使用されてきた歴史もあります(一部の地域では今でもふのりそのものを煮て溶かし、洗髪剤として使用されているところもございます)。

その他、数多くの場面でふのりは使用されてきた歴史があります。
創業100年以上経った今でも、お客様から教えて頂くふのりの使い方もあり、まさに温故知新という言葉がふさわしい海藻です。

 

ふのりの用途

 
布海苔は、「衣・食・住」の全てにおいて、古来より様々な用途で活用されてきました。
大脇萬蔵商店では、布海苔をもっと多くの場面で活用頂けるように、布海苔を加工し、
日々研究を重ねております。
 
<ふのりの用途>
 1:布の糊付
 2:屏風や軸物の絹地に糊付
 3:建材(柱の養生、保護紙用糊)
 4:紙貼り糊
 5:提灯や唐傘の防湿、艶出し
 6:皮製品のマスキング
 7:筆の穂先、水先、元結を固める
 8:陶器の絵付け時に(にじみ防止)
 9:茶碗・壷 艶出し
10:相撲の「さがり」を固める
11:歴史的な建築物と漆喰壁及び天井の保存修復
12:塗装用マスキング材
13:酒造などの製造タンクの密閉
14:お香を固める時
15:チューインガム(歯の再石灰化促進効果の向上)
16:海藻(布海苔)つなぎそば、うどん、そうめん
17:食用乾燥ふのり・・・・味噌汁、サラダなど
18:海藻(布海苔)シャンプー、シャンフー
19:健康食品サプリメント

※他にも様々な用途ございますが、代表的なものを記載しております。


 
 

布海苔(ふのり)の健康効果

古くから健康食としてもふのりは食されてきました。海のミネラル、特に食物繊維が豊富なことからダイエット食品としても注目を浴びている海藻です。

ふのりには、そのネバネバ成分の元である「フノラン(増粘多糖類)」が高濃度に含まれていることが分かってきており、この多糖類に抗がん作用があったり、血液中のコレストロールを下げるなどの研究文献もあるぐらいです。

また中国の古い漢方書「本草網目(ほんぞうこうもく)」には胆石に効くとの記述も残っており、健康面でも注目を浴びている海藻です。

※上記内容は公的・研究機関で正式に実証されたものではございません。あくまで古くからの言い伝え、見解ですので悪しからずご了承下さい。

布海苔(ふのり)と大脇萬蔵商店

事務所入口写真です。
大脇萬蔵商店では、創業1900年(明治33年)以来、100年以上に渡り「布海苔」を扱っております。
三重県伊勢市に糊としての工業用ふのりを製造する工場を構え、今でも手作業で天然糊「板ふのり」を製造しております。
私どもの会社の所在地である福井県を始めとした北陸地方は、古くから繊維産地として栄えており、繊維(織物)向けの用途で古くからふのりを糊として販売させて頂いてきた歴史があります。今では食品向けにも多くご提供させて頂いており、「衣・食・住」全ての分野のお客様にふのりをご提案しております。
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